【実体験】うつ病当事者はどのように感じているのか
御社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。今日は障害雇用だけではなく、社員のメンタルヘルスに関わるうつ病について、うつ病と共に生きてきた私がお話したいと思います。
うつ病は誰でもなります
うつ病は心の風邪と言うけれど?
うつ病は心の風邪。と言う言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。風邪と同じくらい「誰でも罹る」と言う点においては正解だと思います。
しかし数日寝て治ると言うものではありません。私がうつ病になったのは、高校時代のいじめがきっかけでした。
治療を始めたのは、それから10年以上が経過してから。そして今も薬を服用しています。薬を飲んでいれば、制御できるほどになったのは本当に良かったと思います。
うつ病は治る!と言う方もいらっしゃいますが、上手に付き合っていくしかない方もいらっしゃいます。
治すことにこだわるより、無理なく生きていける方法を探すのも生きる一つの方法なのではないでしょうか。
風邪もこじらせると危険なものですが、うつ病も非常に危険なものとなります。
うつ病の可能性は誰にでもあります
“うつ病になりやすい人”と言うとどんな方がいらっしゃると思いますか?
+なんでも仕事を引き受けてしまう人
+気が弱い人
+心配りができる人
皆さん色々な方が思い浮かぶと思います。それは正解でもあり、間違ってもいます。
なぜかと言うとどんな人でも“ストレスが増大する環境”があれば、うつ病を発症してしまうのです。
そのストレスが増大する環境を職場で作らないようにしよう。と言うのがメンタルヘルス・マネジメントの考え方の一つでもあります。
実際にうつ病になったら?
とにかく何もしたくなくなります
とにかく何もしたくなくなります。ひどくなるとベッドから出ることもできなくなります。
体が言うことを聞かなくなり、しなければならないことがあっても動くことができません。
私はうつ病にかかって20年以上引きこもり、結婚してからは育児ウツになったりで専業主婦でした。
躁状態になると何でもできるような気になるのですが、ウツになるとそれさえも反省と嫌悪で塗りつぶされます。
会社の激務が原因でうつ病になった方は、会社に行くための用意をして、行こうとした瞬間に怖くなりベッドに座り込んでしまう。と会社に対して嫌悪が出てしまったそうです。
とにかく自分が自分の意思で動かなくなる。と言った感覚でしょうか。
サボりたい。と言う思いはなく、「行かなければ」「動かなければ」と思って自分をますます追い詰めてしまいます。
自殺願望について
ウツと自殺は濃密な関係にあると言うことはご存じだと思いますが、どうしてウツになると自殺の危険性が高まるのでしょうか。
ウツになると自己肯定感が著しく低下します。
「私なんて生きていたらこの世に害しかない」と言う思考になぜか陥ってしまうんですよね。
究極的に「何もしたくない」と言う思いの結果が自殺だったり、何も考えていないのに体が勝手に死のうとしたりすることも。
人間は認められ必要とされないと生きていけないのだと、痛感します。
職場でのメンタルヘルスマネジメント
障害者も健常者も同じ悩みを持っています
障害があるから。障害がないから。関係なく、職場でのメンタルヘルスマネジメントは現在必要とされています。
労働安全衛生法などにも、“労働者の心の健康の保持増進のための指針”が含まれています。
メンタルヘルス・マネジメントに注力することで、社内の雰囲気の向上と生産性の向上が見込まれるため、現在非常に注目されています。
私は障害者雇用についてを専門としていますが、メンタルヘルスマネジメントは人々のための物でありそこに障害の有無、役職の有無は存在しません。
私はすべての人が生き生きと働ける社会になればと願っています。
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