メンタルヘルスマネジメント:産業医と面談しない社員の心理とは
御社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。今日は心理診断で「うつ傾向」と言う診断が出たのに、産業医のカウンセリングを受けない社員の心理についてお話したいと思います。
心理テストうつ傾向のAさんは何故産業医のカウンセリングを受けないのでしょうか。
心理テストは常に“うつ傾向”
売り上げトップ・社内業務も華麗にこなすAさん
Aさんは修理サービスながら、営業より売り上げを上げる方です。
社内の雑務も一手に引き受けており、非常に評価が高く社内にいなくてはならない人物です。
そんなAさんは社内で心理ストレステストをすると必ず“うつ傾向”と言う診断が出ます。
実際にベッドの上から動けなくなる重度のウツ傾向に陥り、数日休んだことも2度ほどあります。
そんなAさんの心理ストレステストを見た産業医が再三メールで連絡をするのですが、Aさんはカウンセリングを受けません。
Aさんはどんな心理でカウンセリングを受けないのでしょうか・・・?
実際に本人に聞いてみたカウンセリングを受けない理由とは
単純に忙しい
Aさんは修理サービス部隊のトップにいます。現在サービスは人数が足りず、非常に苦しい状態です。
Aさん自身20日近く「休めない」こともあります。
社内では電話案件を平均数件は捌き、営業車の管理をし、定期点検の営業をし、日程の調整をし、持っていく部品の手配をする。
と言うように、かなり忙しくお仕事をしていらっしゃいます。
なので純粋に「時間がない。そんな時間があったら仕事をする」と言うことです。
産業医への不信感
Aさんから見ると産業医は「会社側の人間」です。
いくら「個人情報は保護されます」と言われても、人間としてかかわりがない人間に自分の心を開示することをためらう方はたくさんいらっしゃいます。
会社側の人に「何を言っても環境は改善されない」と思っていらっしゃるようです。
メンタルヘルス・マネジメントを行う会社への不信感
Aさんの勤める企業は、従業員の給料は削るのに「経営者は非常に経費の無駄遣いが多く、自分たちの給料を削らない」とAさん。
そこから会社に対する不信感があらわになっています。
その会社が行うメンタルヘルス・マネジメントは「形だけ」「マニュアル」であり、ラインケアが行われると言うことをAさんはまったく期待していないと言います。
実際にラインケアを行うべき上司から
「うつ状態みたいだけれど、仕事を調整してみないか」
と言う話どころか、
「Aならやってくれるだろう」
とAさんにどんどん仕事が押し付けられている現状があります。
「産業医より上司から面談の申し込みがあるべきじゃないのか」
と話してくれました。Aさんの予想では産業医に話しても
「『病院に行け』と言われるに決まっているけれど、職場が改善されないと鬱状態はどうにもならない」
とAさん。
「現状を改善してくれる」
と言う信頼が会社にない場合、メンタルヘルス・マネジメントは機能しない。
そんなお話でした。
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